【風俗営業許可1号】保全対象施設とは?その調べ方

風俗営業許可の申請時に最も重要な「保全対象施設」についてご説明いたします。

1.保全対象施設とは

 保全対象施設を一言で言うと「風俗営業から有害な影響を受けないよう一定の規制距離による保護を受ける施設」です。風俗営業許可の申請時に調査が必要となり、規制距離内に保全対象施設があると不許可となります。物件契約時に不動産会社から「前の店舗も取れていたから大丈夫」と言われたとしても必ず調査が必要です。よほど自信がある場合を除いて、専門知識となる行政書士に依頼する事をおすすめします。

 それでは、保全対象施設にはどんな施設が該当するのでしょうか。これは、都道府県条例によって定められておりますが、概ね下記のようなものが該当します。

  • 学校
  • 病院・診療所(入院設備のあるもの)
  • 児童福祉施設
  • 図書館

※「建設中」や「許認可申請中」の施設も含まれます。
※詳細は営業所の所属する都道府県の条例にてご確認ください。

2.保全対象施設の規定範囲とは

 これらの施設が、申請する営業所の規定範囲内に存在した場合には風俗営業許可はおりません。この「規制範囲」は、営業所が位置する「用途地域」により異なります。
 また、それぞれの距離制限については、都道府県により異なります。(東京都は以下)

(東京都の場合)

学校(大学を除く)
図書館
児童福祉施設
大学
病院(第1種助産施設含む)
診療所(病床8床以上)
第2種助産施設
診療所(病床7床以下)
商業地域50m20m10m
近隣商業地域100m50m20m
その他100m100m100m

3.保全対象施設の調べ方

 まずは、ゼンリン地図等の詳細な地図を用意します。申請する営業所を中心に縮尺に合わせて上記の距離を半径とした円を描き、その円の中に保全対象施設がないか地図上で確認します。その後、地図を元に実際に街を歩いて確認するのですが、ビルの上空階などに診療所や学校が入っているケースもありますので、注意して確認します。
 もし、疑わしい施設があった場合は、インターネットや市区町村役場のホームページなどで確認します。それでもわからない場合は、必要に応じて担当の役所に電話で確認を行います。

4.保全対象施設を見落とした場合

 何度も言いますが、保全対象施設の存在を見落としていた場合は許可が下りません。
不許可となった場合には、これまでかけてきた店舗の契約費用や内装工事費等が無駄になってしまうなど大きな損害が発生してしまう可能性があります。このようなケースを避けるためには、店舗物件等を決定する前の段階でしっかりと調査をすることが重要です。
 「調べる時間がない」「よくわからない」などの理由で適当に調査してしまうと、取り返しのつかない損失を出してしまう可能性があります。当事務所のお客様ではありませんが、物件契約をして内装工事もしたが保全対象施設を見落としていた事で許可がおりず、数千万の損害を出してしまったというケースもあります。
 これから開業を検討されている経営者様には、保全対象施設の見落としは取り返しのつかない事になるリスクがある事をご理解いただき、早い段階で経験豊富な行政書士に依頼する事をお勧めいたします

当事務所では、風俗営業許可申請に関する相談は無料にて承っております。
専門の行政書士へ相談したいという方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。