道路占用許可
前回のブログで、最近道路使用許可のご依頼を沢山いただいている、と書きました。実は、それに伴い道路占用許可のご依頼も多くいただいております。道路使用と道路占用。漢字一文字の違いですが、その内容は大きく異なっております。
道路使用許可と道路占用許可の違いを簡単に説明すると、道路使用許可はその名の通り道路を本来の目的以外の使い方をするときに必要となる許可であり、道路占用許可はそれに加えて道路上に簡単には動かせないようなものを設置するような場合に必要となる許可です。
具体例を挙げると、道路占用許可が必要な場合の代表的なものは建設現場の足場です。建設現場に資材を搬入するようなケースでは、道路にトラックを長時間駐車することとなるため道路使用許可が必要です。
しかしこの場合には道路占用許可が必要ありません。なぜなら、何かあった時にトラックは移動させようと思えばすぐに移動させられるからです。
一方、足場はどうでしょうか?一度足場を道路上に組み上げてしまうと、すぐに解体して移動させることはできません。こういう場合には、道路占用許可が必要となります。
ここで注意しないといけないのは、道路占用許可は必ず道路使用許可とセットで取得しないといけない、ということです。道路上に足場を組み上げることは、道路の本来の使い方ではないので道路使用許可が必要であり、「それに加えて」足場のようなすぐに移動させられないものを道路上に設置する際には道路占用許可が必要、というわけです。
おわかりでしょうか? まとめると、道路使用許可は単体でも取得可能、道路占用許可は必ず道路使用許可とセットで取らないといけない、ということです。
では、手続上の観点では、道路使用許可申請と道路占用許可申請ではどのように異なるのでしょうか。
実は、道路使用許可と道路占用許可をセットで取る場合は、道路使用許可単体の場合の何倍も難易度が上がります。
その原因のひとつは、それぞれを担当する役所が異なることにあります。道路使用許可は警察署の担当、道路占用許可は市区町村役場の担当です。このため、道路使用許可&占用許可のセット取得のためには、警察署と役所それぞれに提出する内容の異なる書類を作成し、それぞれに提出しに行かなければなりません。
ところが、「それぞれに」とは言うものの、この2つの許可が目指すところは同じ「道路の安全性を確保すること」ですから、この両者に提出する資料にも連動性がなければなりません。
さらに、道路使用許可申請の場合には、工事の方法等について要件を満たすかどうかはある程度常識的な判断が可能ですが、道路占用許可の場合には、その要件が細かく決められております。
例えば、幅員が3mの道路に幅2mのトラックを駐車して資材搬入する場合、その道路は車両通行止めになるかならないか、どちらでしょうか? 幅員が3mの道路に2mのトラックですから、残りの幅員が1mとなり、他の車が通れませんね。ですので、この場合には車両通行止めにする必要があります。道路使用許可申請についてはこのような考え方が可能なのですが、道路占用許可の場合には、例えば、歩道上に組む足場の出幅は1m以下で歩道幅員の1/3を超えないもの、という細かい決まりがあって、これらを知らないことにはどうにもなりません。
このように、道路占用許可の要件には、道路幅員や設置物の高さ等に細かい決まりがあるため、それらルールを知った上で要件を満たすかどうか検証するための測量が必要となります。そして、仮に要件を満たさないとなった時には工事方法等について代案を検討しなければならないため、工事等についての知識も不可欠となります。
お分かりいただけましたでしょうか? 道路占用許可申請は道路使用許可申請単体よりも大変難易度が高い申請ですので、お困りの際には是非弊社にお声がけをいただければと思います。
弊社には、これまでの数多くの経験から、一見困難な状況でも許可取得を可能とするノウハウがございます。是非一度、ご相談ください。