占用?占有?道路許可で間違って使われがちな占用と占有を解説

占用?占有?

「占用」と「占有」——この二つの言葉、字はよく似ていますが、法律上は異なる意味を持っています。

特に「道路占用許可」という言葉を見かけたとき、「あれ?占用?占有じゃなくて?どう違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「占用」と「占有」の違いをわかりやすく解説し、特に「道路占用許可」について詳しくご説明します。

占用と占有はどう違うの?

○占有(せんゆう)って何?

民法上の「占有」とは、簡単に言えば、「物を事実上、自分の支配下に置いている状態」のことです。

民法第180条では、占有権は「自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する」と定められています。

ここで重要なのは、「占有」と「所有」は別の概念だという点です。

例えば、自分で購入した本を手元に持っている場合、その本を所有すると同時に占有していることになります。

一方、友達から借りた本やレンタカーのように、自分の所有物ではなくても、実際に自分の管理下に置いて使用している間は「占有」していることになります。

○占用(せんよう)って何?

「占用」は、道路や河川などの公共施設について使われる法律上の用語です。

道路の場合、道路法第32条では、道路に一定の工作物、物件または施設を設け、継続して道路を使用することを「道路の占用」としています。

例えば、建築工事用の足場を歩道上に一定期間設置したり、道路の上空に突き出す看板を設置したり、道路の地下に水道管やガス管を埋設したりする場合などが道路占用に該当します。

単に道路上で一時的に工事や作業を行うだけの場合は、道路占用ではなく「道路使用許可」の対象となる場合があります。道路占用は、一定の物件や施設を道路に設置して継続的に使用することがポイントです。

○わかりやすい例で比べてみよう

 占有の例
  ・自分で買った本を持っている → 占有
  ・レンタカーを借りて使用している → 占有
  ・友達から借りた傘を持っている → 占有

 道路占用の例
  ・建物から道路上空へ突き出す看板を設置する → 道路占用
  ・工事用の足場や仮囲いを歩道上に一定期間設置する → 道路占用
  ・電柱を道路に設置する → 道路占用
  ・水道管やガス管を道路の地下に設置する → 道路占用

占有と占用の法的根拠

○占有の法的根拠

占有は民法に規定されている私法上の概念です。

民法第180条では、「占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する」と定められています。

占有は所有権とは別の概念であり、実際に物を所持・支配している状態そのものについて、民法上一定の保護が与えられています。

○占用の法的根拠

「占用」は、道路や河川など、それぞれの公共施設を管理する法律の中で用いられています。

道路の場合は道路法第32条、河川の場合は河川法などに基づいて、一定の施設や物件を設置して継続的に使用する場合の許可制度が設けられています。

道路占用については、道路法第32条に定められた物件等に該当し、道路法や道路法施行令等で定められた基準を満たしたうえで、道路管理者の許可を受ける必要があります。

道路占用許可って何?

それでは「道路占用許可」とは、具体的にどのような許可なのでしょうか。

道路占用許可とは、道路に道路法で定められた工作物、物件または施設を設け、継続して道路を使用する場合に、道路管理者から受ける許可です。

道路は本来、人や車が通行するための公共施設です。

一方で、電柱や水道管・ガス管、道路上空に突き出す看板、建築工事用の足場など、道路という空間に設置する必要がある物件もあります。

そのような物件を道路上・道路上空・道路地下に継続して設置する場合に必要となるのが道路占用許可です。

「道路占有許可」と間違われることも多いですが、法律上の正しい名称は「道路占用許可」です。

○どんなときに道路占用許可が必要?

道路占用許可が必要となる代表的な例は次のとおりです。

  1. 道路上空に看板などを設置するとき
    • 例:建物の壁面から道路上空へ突き出す袖看板など
  2. 工事用の仮囲いや足場を道路に設置するとき
    • 例:建物の改修工事に伴い、歩道の一部に足場を設置するとき
  3. 電柱や郵便差出箱などを道路に設置するとき
    • 例:電力会社等が電柱を設置するとき
  4. 地下に水道管やガス管などを設置するとき
    • 例:道路の地下に水道管を埋設するとき
  5. 露店や商品置場などを道路に継続して設けるとき
    • 例:道路占用が認められる制度や条件のもとで露店等を設置するとき

なお、これらの物件であれば必ず許可されるわけではありません。道路占用許可では、物件の種類だけでなく、設置場所、構造、道路交通への影響、道路の敷地外に設置する余地がないかなど、道路法上の許可基準に適合するかが審査されます。

道路占用許可はどうやって取るの?

道路占用許可を取得するには、占用しようとする道路の道路管理者へ申請します。

  • 国が管理する国道 → 国土交通省の国道事務所・出張所など
  • 都道府県が管理する道路 → 都道府県の土木事務所・建設事務所など
  • 市区町村が管理する道路 → 市役所・区役所等の道路管理担当部署など

なお、国道であってもすべて国が直接管理しているわけではありません。都道府県や政令指定都市等が管理している国道もあるため、申請前に対象道路の道路管理者を確認することが重要です。

申請には、占用する場所、期間、設置する物件の種類・構造、工事方法などを記載した申請書と、案内図、平面図、立面図、断面図などの添付資料が必要となります。

道路占用許可を受けた場合には、原則として占用物件や占用期間等に応じた道路占用料が発生します。ただし、占用する物件や目的、占用主体などによって減額・免除となる場合もあります。

また、足場の組立て・解体など、道路上で工事や作業を行う場合には、道路占用許可とは別に道路使用許可が必要となる場合があります。

まとめ

「占用」と「占有」は字が似ていますが、法律上は異なる意味を持っています。

  • 占有(せんゆう):物を事実上、自分の支配下に置いている状態
  • 道路占用(せんよう):道路に一定の工作物・物件・施設を設け、継続して道路を使用すること

特に「道路占用許可」は、看板や足場、水道管・ガス管などを道路上・道路上空・道路地下に設置する場合に関係する重要な手続きです。

道路占用許可が必要かどうかは、道路の使い方や設置する物件によって異なります。また、道路使用許可など別の手続きが必要となる場合もありますので、申請前に確認しておきましょう。

道路占用許可や道路使用許可についてお困りの場合は、ワークスハブ行政書士事務所へご相談ください。

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