テレビ・YouTubeの路上撮影で必要な許可と申請手順

公道での撮影に必要な許可と手続き

「路上で撮影したいけれど、何をどう申請すればよいのか分からない」と悩んでいませんか?

映像制作の現場では、リアリティのあるロケーション撮影を求めて路上でのロケを希望する場面が多くありますが、公道の使用には法令上の明確な制限があり、無許可での撮影は違法になることもあります。

この記事では、道路での撮影に必要な許可と手続きについて詳しく解説します。

撮影時に必要な「道路使用許可」 その法的根拠を解説

公道でテレビやYoutubeなどのロケを行う場合は警察が管轄する「道路使用許可」の取得が必要になります。

道路使用許可とは、道路交通法第77条に基づく制度で、公道を本来の交通目的以外に使用する際に必要となる許可です。

テレビ・YouTubeなどの撮影行為は道路交通法第77条4項に定める「ロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為」に該当し、ほとんどの都道府県で道路交通規則に指定されているため(※)、警察署に事前に申請して許可を受ける必要があります。

※道路交通法77条4項では、記載されている行為のうち各都道府県の公安委員会が定めたものを許可制としています

どんな撮影で許可が必要?具体例で解説

それでは「一般交通に著しい影響を及ぼすような」とは一体どの程度のことを指すのでしょうか?

一般的には以下の場合に道路使用許可を取得する必要があると言われています。

◉ 道路上に三脚・機材・車両を設置

→ 歩道・車道に物を設置する行為は「作業」に該当

◉ 通行人を誘導・制限して撮影する

→ 「交通に影響を及ぼす行為」として道路使用にあたる

◉ 走行中の車両内からカメラで撮影する場合

→ 通行を目的とした車両の走行ではないため

また、それ以外にも車両からの撮影で制限外積載(撮影機材をはみ出して積載)がある場合は、道路交通法第57条および施行令第22条に基づく「制限外積載許可」が必要です。

道路使用許可をスムーズに取得するための手順

【1】ロケ内容の整理・撮影計画の作成

まずは、どこで何をどのように撮影するかを明確にし、使用区間・時間・使用方法・車両台数・スタッフ数などをまとめた「撮影計画書」を作成します。

【2】警察・道路管理者と事前協議

撮影で長時間にわたって道路を使用する場合や構造物を設置する場合は、警察や道路管理者(国、県、市区町村等)と事前に協議し、計画の確認をしてもらう必要があります。

※この段階では許可そのものではなく、あくまで使用計画の確認です。

【3】所轄警察署へ申請書提出

  • 道路使用許可申請書
  • 添付書類:撮影計画書、地図、略図、機材設置図、通行止め計画図、近隣協議記録など(状況に応じた必要書類)

提出先は「撮影地を管轄する警察署の交通課(交通規制係)」です。

【4】審査・許可

通常、数営業日で許可が下りますが、大規模撮影や特殊事情がある場合は時間がかかることも想定されます。

許可証が発行され、撮影当日は常時携帯が義務となります。

撮影時のルールと義務

◉ 許可条件の順守

道路使用許可は「条件付き」で交付されることがほとんどです。例として以下のような条件が付きます。

  • 警察官の指示に従うこと
  • 誘導員の配置
  • 近隣住民への事前告知
  • 交通を妨げないよう注意すること

◉ 許可証の携帯義務

許可を受けた道路使用中は許可証を現場で所持しておく必要があります。

提示を求められた場合に備え、原本を必ず携帯しましょう。

道路占用許可との違いにも要注意!

道路使用許可と混同しやすいのが「道路占用許可」です。

これは、道路法第32条に基づき、道路を継続的・構造物設置の目的で使用する場合に必要です。

例えば、

  • 看板や大型機材を連続して設置する
  • 撮影のためのステージ設営
  • 交通島や歩道橋などの構造物を使う場合

などは、道路占用許可が別途必要となります。

その場合も、まず道路使用許可を取得した後でないと申請できないという点に注意が必要です。

申請のプロに任せる安心感!行政書士がサポートできること

申請書類の作成や提出、道路管理者との協議、警察署とのやり取りには時間と手間がかかります。

撮影スケジュールがタイトな場合や、確実に許可を取りたい方は行政書士に依頼するのが安心です。

ワークスハブ行政書士事務所では、以下のような業務を代行しています。

・許可証の受領代行

・申請書類・図面の作成サポート

・道路管理者との協議代行

・警察署への許可申請代行

撮影を安全・円滑に行うために

公道での撮影は、観光地や商業地で注目度の高い映像が撮れる反面、交通への影響や安全確保など、法的に非常にシビアな扱いになります。

「ちょっとの撮影だから大丈夫」と思い込まず、必ず法的手続きに則って行うことが重要です。

煩雑な手続きをまるごとサポートいたしますので、お気軽にワークスハブ行政書士事務所までご相談ください。