法律ごとに違う「道路」の定義とは?

「道路」って法律でどのように定義されているか知っていますか?

不動産の売買や建物の建築、道路工事や看板の設置など、私たちの生活に関わるさまざまな場面で「道路」という言葉が出てきます。
でも実は、「道路」の定義は使われる法律によって違うんです。

この記事では、道路法、道路交通法、建築基準法の3つの法律での道路の意味を整理しながら、それぞれの法律の公道と私道の扱いについても解説します。

【道路法】道路の「管理」のための法律

道路法は、国や地方公共団体が整備・管理するいわゆる公道に関する基本的なルールを定めています。
この法律における「道路」は、次の4つに分類されます。

  • 高速自動車国道(例:東名高速道路)
  • 一般国道(例:国道〇〇号線)
  • 都道府県道(例:県道〇〇号線)
  • 市町村道(例:市道〇〇号線)

これらはすべて公的な管理下にある道路で、「私道(個人所有の道路)」は含まれません。
道路占用許可など、公道を使用する際の申請手続きが必要になるのもこの道路法に基づきます。

【道路交通法】「通行の安全」がテーマの法律

道路交通法は、警察が管轄する交通ルールを定める法律です。
この法律の特徴は、「道路」の範囲が非常に広いこと。

たとえば、

  • 不特定多数の人が自由に通れる私道
  • 商業施設の中にある通り抜け可能な敷地内通路

こういった場所も「道路」とみなされます。

つまり、「私有地だから自由にしていい」というわけではなく、交通の安全に関わる限りは道路交通法の適用対象となります。

【建築基準法】建物を建てるときに必要な道路

建築基準法は、建物の安全や衛生を守るための法律です。
この法律では、建物を建てる際に「道路に接していること(接道義務)」が求められます。

このときの「道路」は、次のようなものを含みます。

  • 道路法の道路(公道)
  • 法令に基づいて作られた道路
  • 建築基準法の「位置指定道路」や「みなし道路(2項道路)」など

つまり、私道であっても一定の基準を満たしていれば「建築基準法上の道路」として認められるということです。

また、未完成であっても2年以内に完成予定の道路も一部「道路」として扱われるケースもあります。

法律によって「道路」の意味はこんなに違う!

「道路法」「道路交通法」「建築基準法」それぞれで、道路の定義は異なります。そしてそれぞれの法律が対象とする道路や目的も異なるため、混同しないようにしましょう。

法律名主な目的私道の扱い関連手続き
道路法公道の管理含まれない道路占用許可など
道路交通法交通の安全管理含まれることがある道路使用許可など
建築基準法建築許可の基準含まれることがある接道義務の判断・建築確認など

道路で困ったら行政書士に相談を

道路と一口に言っても、その法律的な意味合いは多岐にわたります。

ワークスハブ行政書士事務所は、道路許可専門の行政書士事務所として皆様のサポートをしています。

どこに相談すべきか迷ったらワークスハブ行政書士事務所まで、まずはお気軽にご相談ください。

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