占用?占有?道路許可で間違って使われがちな占用と占有を解説

占用?占有?

「占用」と「占有」——この二つの言葉、字はよく似ていますが、意味はずいぶん違います。

特に「道路占用許可」という言葉を見かけたとき、「あれ?占用?占有じゃなくて?どう違うの?」と迷ってしまうことはありませんか?

今日の記事では、このよく似た二つの言葉の違いをわかりやすく解説し、特に「道路占用許可」について詳しくお伝えします。

難しい法律用語も、噛み砕いて説明しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

占用と占有はどう違うの?

○占有(せんゆう)って何?

占有を辞書で調べてみると、①自分の所有にすること②民法上、自己のためにする意思をもって物を所持すること、とあります。

簡単に言うと「物を自分のために持っている状態」のことです。

たとえば、あなたが本を買って手元に持っているとき、あなたはその本を「占有」しています。

また、自分のものでなくても、友達から本を借り、返すまでの間はあなたがその本を「占有」していることになります。

○占用(せんよう)って何?

同じく占用も辞書で調べてみると、独占して使用すること、特に法的に河川・道路などを占拠して使用すること、とあります。

そうなんです。「占用」は、道路や河川などの公共の場所を、「特別な目的のために使わせてもらうこと」を指します。

例えば、お祭りなどで路上にお店が出ていたり、工事のための足場が歩道にはみ出ていたりするとき、これは「占用」にあたります。

公共の場所を、みんなが使う本来の目的とは違う目的で、特別に使わせてもらうわけです。

○わかりやすい例で比べてみよう

 占有の例
  ・あなたが買った本や服を持っている → 占有
  ・レンタカーを借りて使っている → 占有
  ・友達の傘を借りている → 占有

 占用の例
  ・お店の看板が歩道にはみ出る → 占用
  ・工事のために道路の一部を使う → 占用
  ・電柱を道路に立てる → 占用

占有と占用の法的根拠

○占有の法的根拠

占有は民法に規定されていて、私法上の概念です。

民法第180条には「占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する」と明記されています。

この規定により、占有は所有権とは独立した法的保護を受けられる権利となっています。

○占用の法的根拠

占用は様々な法律に規定されています。

例えば道路の場合は道路法第32条に基づき、河川の場合は河川法に基づいて規定されています。

これらは法律上の概念となり、行政機関による許可を前提としています。

道路占用許可って何?

それでは「道路占用許可」って何でしょうか?

道路占用許可とは、道路(公共の場所)の一部を特別な目的で使うときに必要な許可のことです。

道路は本来、みんなが通行するための場所です。

でも、電柱を立てたり、工事をしたり、お店の看板を出したりするために道路の一部を使う必要が出てくることもありますよね。

そういうときに「道路を占用(特別に使わせてもらう)していいですよ」という許可が「道路占用許可」なんです。

「道路占有許可」と間違われる事も多いですが、正しくは「道路占用許可」になります。

○どんなときに道路占用許可が必要?

道路占用許可が必要になる主な例をいくつか挙げてみましょう。

  1. お店の看板を道路にはみ出して設置するとき
    • 例:壁から突き出す看板など
  2. 工事の仮囲いや足場を道路に出すとき
    • 例:建物の改修工事で歩道の一部を使うとき
  3. 電柱や郵便ポストを設置するとき
    • 例:電力会社が電柱を立てるとき
  4. 地下に水道管やガス管を埋めるとき
    • 例:水道工事でパイプを道路の下に埋設するとき
  5. 屋台や露店を出すとき
    • 例:お祭りで屋台を出店するとき

道路占用許可はどうやって取るの?

道路占用許可を取るには、道路を管理している機関に申請する必要があります。

  • 国道なら国(国土交通省の事務所)
  • 県道なら県(県の土木事務所や建設事務所など)
  • 市道や区道なら市区町村(市役所や区役所の道路管理課など)

申請には、どこの道路をどのように使いたいのか、どんな物を設置するのかなどを詳しく書いた書類や図面が必要です。

また、許可が下りると「道路占用料」という使用料を支払うことになります。

まとめ

「占用」と「占有」、似ているけれど意味が違う二つの言葉について解説しました。

  • 占有(せんゆう):物を自分のために持っている状態(例:本を持っている)
  • 占用(せんよう):公共の場所を特別な目的で使うこと(例:道路に看板を出す)

特に「道路占用許可」は、看板の設置や工事など、日常生活や商売でも関わることが多い許可です。必要なときには正しい手続きで申請するようにしましょう。

もしこういったような手続きで困った場合はワークスハブ行政書士事務所へご相談ください。

道路許可の専門家が全力でサポートさせていただきます。